『静岡おでん』は、ガキのおやつ

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ガキにとっては『駄菓子屋』は天国

 私個人的に思う『静岡おでんしぞーかおでん』は今でこそ全国的に有名になりましたが、もともとは庶民と言うよりガキのおやつだった。少なくともご飯のおかずとして用いられるものではなかった。

ガキの憩いの場所『駄菓子屋』

 私がガキの頃、おでんは駄菓子屋で売っているものでご飯のおかずと言うよりむしろお菓子の部類に属し、「ガキの小遣いで買える若干腹を満たしてくれる食べ物」だった気がする。

 昨今ではスーパーやドラッグストアー、コンビニ等でお菓子は売っているが、昔はと言うとお菓子屋さんはあるにはあったけど継ぎ接ぎつぎはぎの服を着、鼻水垂らしたガキが気軽に行ける場所ではなかった。
クソガキが気軽に行けるお菓子屋さんは、やっぱり『駄菓子屋』だった。

 駄菓子屋は今考えると、スーパーお菓子屋さんだった。
今の時代に当てめると、お菓子屋、喫茶店、おもちゃ屋、おでん屋の合体型子供向け店舗と言ったところだろうか?

 現在販売されているおもちゃやお菓子は梱包や見た目がちゃんとしたものばかりだが、当時の駄菓子屋で売っていたものは到底エリート会社員や奥様には似合わないものばかりだった。
だからといってガキどもにとってはあなどれない販売店で、ガキの小遣いの範囲で気軽に行ける少ないお店の一つだったからだ。

取り扱い商品が凄い!

 駄菓子屋が何故「スーパーお菓子屋」と言える所以ゆえんは、とにかく何でも売っている所である。勿論ガキ共が対象ですが、少ない小遣いで満足感をお店が『駄菓子屋』だった。

 販売形態は商品(特にお菓子類)が単品売りされていた事で一つ一つの商品価格を抑え、より多くの種類を選択することが可能だった。これはお菓子だけに限らず、店の取り扱い商品ほとんど全てがそうであった。

 この「スーパーお菓子屋」である『駄菓子屋』には、現在ではほとんど見ることの出来ない商品を格安価格にて販売していた。季節によってはほとんどこれ目当てに通い続けた記憶がある。

かき氷、おでん、お好み焼き、紙焼き等である。
紙焼きとは、小麦粉に卵を混ぜ薄く伸ばし紙のように焼いた食べ物で、あまり覚えが無いが数回食した覚えがあります。

お好み焼きも『駄菓子屋』

お好み焼きは現在のように具材がゴージャスでは無く、これもあまり覚えが無いが小麦粉に紅生姜?、揚げ玉?、ネギ?の混ぜたものを鉄板で焼き、醤油だったかソースを掛けダシ粉(鯖節と青のりを粉にしたもの)を掛けて食べる簡単なもので、見た目はチヂミに似ているかもしれない。

このお好み焼きや紙焼きは少数の駄菓子屋での営業でしたが、かき氷とおでんはほとんどの店で取り扱っていました。

かき氷

 夏の暑い日に欠かせないのが、やっぱりこれっ!「かき氷」

夏の暑い日には、やっぱりこれに限る!冷たい「かき氷」

 安くて早いし、色々な味が楽しめる。家で食べるより友達とワイワイ言いながら食べるかき氷はやっぱり最高!

見た目は安っぽいかもしれないが、ガキにはこれが良いんです。
おばちゃんがかき氷を素手で固め、シロップを氷の上から垂らす。シロップの多め、少なめはおばちゃんに言えば、ニコニコしながら答えてくれる。

今の豪華なかき氷も悪くはないが、昔食べた甘露にいちごシロップやメロン、小倉、小倉ミルク、小倉抹茶が懐かしい。意外に種類は豊富にあったのを覚えています。

駄菓子屋といえば『静岡おでん』

 駄菓子屋に欠かせない「おでん」は、庶民のガキの食い物

おでんはやっぱり静岡おでん

静岡おでんしぞーかおでんの特徴

 静岡おでんしぞーかおでんの特徴は、なんと言ってもその出汁(汁)の色が黒いことが有名です。
味付けは濃口醤油ベースに牛すじや豚モツを使い、真っ黒い汁なのに見た目より味は濃くなくさっぱりしている。と言って、味付けが薄いわけではなく、コクが有り美味しい。

 おでんの具材は串に刺されていて、具材によるが串一本単位の値段で売られている。お店側からしたら準備が大変だが、ガキにしてみたら好都合である。
今考えてみたら、おでんを串刺しにするのはガキの為だったのではないかと思ったりもする。

 具材に静岡県特有の黒はんぺんを使っている。
黒はんぺんはサバやイワシのすり身を加工した練り製品で静岡県、特に焼津近辺の産物です。私個人的には黒はんぺんはおでんよりフライのほうが好きです。しかも、高級な厚手な黒はんぺんより安い薄ペラな黒はんぺんのフライが好きですね。

 静岡おでんの販売地域は静岡県でも極狭い地域で販売されていた。
詳しいことは知らないが、後々に聞いた話では東は静岡市(清水市は省く)から南は大井川までと限られていたそうです。
我々ガキの頃から普通に食べていたので、そんな事気にもしていなかったけど、意外に狭かったんですね。

 盛り付けが通常のおでんとは異なり、串単位で取り出すためか汁が一緒に盛られていない。
おでんには、辛子が定番だが青のりとダシ粉を掛けるのが静岡流、場所によってはお味噌を付けたりもする。

今は懐かしい『しぞーかおでん』

 当時当たり前のように食べていたおでんだが、昨今なかなかあの味に出会うことは無い。
静岡おでんしぞーかおでん」は現在食卓に出されるおでんとは全くの別物で、悪く言えばあれは(静岡おでんしぞーかおでん)「おかずじゃない」等と言われたりもする。確かにそうかも知れないが、我々はあの味に親しんで来たので『静岡おでんしぞーかおでん』こそがおでんなのです。

 私がガキの頃、好んでよく食べていたものは真っ黒い玉子と黒く三角形のコンニャク、茶色く染まったジャガイモが好きでした。特にジャガイモは静岡おでんしぞーかおでんじゃないと出せない味があり、今では私にとって幻のジャガイモとなってます。

玉子は特に黒くなったものを好んで選び食べたものです。見た目ほど味は濃くは無く、程よい味付けで私の好きな一品でした。コンニャクは鍋の汁が減り、コンニャクが半分くらい汁から出ていて、その部分が若干しおれて固くなったもので尚且なおかつ、味が染みているものが好きでした。

 現在『駄菓子屋』が、懐かしき良き昭和のお店としてリニューアルされています。売っているものはらしきものを売ってはいますが、私にとっての駄菓子屋は古くて小さくごちゃごちゃした少々汚いお店で、かき氷やおでんを売っている事が第一条件なので、リニューアルされた駄菓子屋は本来の駄菓子屋だとは思ってません。
確かに懐かしいことは懐かしいんですけどね。

 リニューアルの駄菓子屋と同じで、しぞーかおでんもブームに乗って特に静岡にしぞーかおでん屋がたくさん出店されました。「おでん横丁」もあり他県からも食べに来る賑わいだそうです。昔と違い『静岡おでんしぞーかおでん』は現在、酒の肴的な位置付けで存続しているのは少し残念に思います。

私の場合、酒は飲みますが外ではあまり飲まないので「おでん横丁」もさほど遠くではありませんが、行ったことがありません。
どんな味なのか食べてみたい気もしますが、昔のあの味の思い出をそっと取っておきたい気持ちもあり、若干複雑です。

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