年齢差に感じる『時感』と言う概念

 「人間歳を取るとときが短く感じてくる。」と言われているが、幼少期でも高齢者でも1時間は1時間、では何故年齢差により同じ時間でも感じ方が違うのでしょう。

目次

自分の子供の頃を振り返ってみる

 ここでは他人がどう思っているのか分からないので、幼少期から中学生、高校生位で自分が感じた時間に対する感覚を思い出しながら投稿していきます。

幼少期の時間に対する感覚

 私が生まれたのは、1956年(昭和31年)で終戦してからちょうど10年が過ぎた年です。

 生まれて間もなく物心がついた頃の事で、あるお祭りの日の思い出です。

 山頂にあるお寺のお祭りで、お祭りのお店が遠くある我が家の前から並んでいました。親に連れられて山頂のお寺まで長い距離歩いたのを覚えています。

 お寺に向かう途中、今の時代では考えられない景色を途中何度も見ることになります。
それは軍服姿で怪我をした兵隊さんで、片手がなかったり、片足がなかったりの痛々しい姿で、子供の私にとっては恐ろしい光景に写っていました。それらがホントかどうかは私には判断できませんが、恐怖を感じていた事はよく覚えています。

彼らは道端にしゃがみ込み、自分の前に器を置きただ黙って物乞いをしていました。
この光景は私に戦争を感じさせた場面でもあります。でも、私にとっては戦争はずっと昔の話。テレビや漫画、話には聞くけど全く自分には関係のない昔話でしかありませんでした。

 少し年齢を増し、物事を若干客観的に見る事が出来るようになり、その次代に置かれている自分を考えてみたりしました。大げさに書きましたが、ふと思ったんです。子供の頃当たり前に思っていた「戦争が終わったのって10年前なんだけど、生まれてないしずっと昔の話だよね!」と言う思いは後々「えっ!なんか違う!?」って。

子供の頃の10年は長い長い時間、してや戦争なんて生まれる前の話。遠い遠い昔ばなしのようなものでしたが、時が経ち「終戦10年後に生まれた。」を考えてみると「10年って、意外に短いじゃん」って思えるようになったんです。

同じ思いを今感じてみる

 大昔だった10年、じじぃになった今果たしてどのように感じているのか?それは誰もが思う答えは、先程も触れたが「10年って、意外に短いじゃん」です。でも更にじじぃになった今は正直もっと短く感じています。

「10年は一昔」とはよく言ったもので、正にその通りで、私の人生を振り返り考えてみると会社員として通勤していた日々、10年なんてホントつい此間こないだの事のように思え、記憶も遠い昔の記憶では無く、最近の記憶として覚えています。

それを踏まえて自分に当てはめてみると、いくら戦後生まれだと言っても「戦後間もなく生まれた子」でくくられてしまっても違和感が無い。

確かに私の幼少期、ガキの頃の日本は舗装されていない道路も多く、特にガキの身なりは今のような綺麗さは無く生活が苦しい家庭が多かった。そう思うと、ホントに戦争が終わって間もない時期だったんだなと改めて思う。

『時感』について考えてみる

 私達の言っている『時間』とは、「時の流れ」「ある時刻とある時刻の間の長さ」の事。
では『時刻』とは、時の流れの中の一瞬間の事です。

 時間が長く感じたり短く感じるのは何故でしょう?
嫌なこと等を行っている時は時間が長く感じます。それとは反対に自分の好きなことや楽しいことを行っていると時間が経つのは早く感じるものです。これは年令に関係なく言えることだと思います。
でもこれらは、長い人生において一瞬一瞬の事で先程述べた『時間』に例えると『時刻』に値するものだと思います。

年齢差による時間の感覚

 良く耳にする事ですが、「若い時は時間が長く、歳を増すごとに時間が短く感じる」と云われています。では何故このように云われているのか考えてみましょう。

 若者と老人、同じ1日や1週間で考えてみます。
若者と老人、どちらも『時間』は同じです。それではこの2者の何が違うのでしょうか?

行動の違い

 若者の場合、若者と言っても色々ありますが一般的に学生を例にあげます。
学生の場合は大半を学業に時間を使用しています。また、友人や色々な人達と触れ合い、色々な所へ出掛ける事も多く、ネットやゲーム等で情報をどんどん吸収しています。

片や老人はというと、人にもよりますが情報の吸収能力は若者に比べ劣ります。年齢により脳の働きが鈍るためです。認知症はまた別です。ある意味認知症はタイムスリップ状態で、時空を行き来し時間の感覚を持ち合わすことが出来ないため、除外します。

成長の違い

 若い時は成長が早く、生まれて成人になるまでの約20年間、特に体重や身長等の体格的な成長は著しく、それに伴い体力や知識の吸収力もあり人生で一番鍛えられる時期です。それに比べ、老人の20年間は(60歳~70歳で考えてみます)成長と言うと、強いて言えば白髪やシワが増え、身長が減り物事を忘れっぽくなり、体力がなくなる。等良いことはあまりありません。

『時感』の違いは人生経験の差

 時間が長く感じる子供と短く感じる老人で比較してみます。
子供の年齢を8歳、老人の年齢を80歳として考えると、子供の1年はその子供の生涯の8分の1で、老人は生涯の80分の1となり子供の10分の1になってしまいます。

長生きをすればするほど自分の中での1年間と言う時間の感覚が短くなっていきます。

 子供の頃は物覚えも良く、知識や情報がどんどん蓄積されて行きますが、老人はどんどん蓄積とは行かず過去の情報や記憶でいっぱいなので、新たな記憶をする事は苦手になります。
また、年齢が増すごとに体内時計がしっかり身に付いてしまうので、生活リズムが崩せず同じ感覚で時間が過ぎてしまうことも要因かと思います。

 「歳を取ると時間が短く感じる」は私の経験から言って確かな事なので間違いはありません。
感じ方は人それぞれ違いはあると思いますが、記憶が年輪や地層のようにどんどん増えていき、全体からみると一つの年輪、地層はわずかでしか無い。また、その全体の重み、重圧などから一つ一つの層が縮んでしまう事もありうると思う。

 歳を取ると時間が短く感じるが、その分時間を長く生きていると言う事。

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